52週販促計画の作り方 その1
そろそろ来年の計画を立てる時期となりました。年々小売環境も厳しくなり、計画立案も難しさを増しています。販促計画を単にイベントやテーマありきで作成するだけではこの環境を乗り切れません。まずは数値の波動や与件の変化を正しく捉えることから始めましょう。
今回は3回シリーズで販促計画の作り方の一部をご紹介します。
⑴当年度の数値を正しく把握する
①食品全体で年間52週の順位づけ
②その週の数値はどう作られているのか
- 前年より売上は伸びているのか
- 売上構成が大きい部門はどこか
- 売上が伸びた部門、落とした部門はどこか
③部門別の52週順位にも注目 高順位ならばその部門にとって大事な週
⑵さらにドリルダウンし、数値アップ(ダウン)要因を把握する
①カテゴリ別、重点単品
②異常値の把握、2024年であれば米の数値影響(2023年の数値も確認が必要)
具体例をもとに説明します。下記はある食品スーパーの3月度4週間の実績です。
まず「MD1週(3月最初の週)について説明します。食品計で8位と高順位週ですが、全部門が高順位、というわけではありません。その中でも鮮魚、日配は高順位、これは「ひなまつり」でのはまぐり、スイーツなどの売上と想定されます。鮮魚、日配は高順位週に数値を落とすと年間への影響も想定され、「落とせない週」としての仕掛けが必要です。
しかしながら鮮魚部門の売上は全体の1割弱、売上構成が高いのは圧倒的に加工食品です。結果として、この週は鮮魚や生鮮、惣菜は好調だが加工食品、日配が数値を落とした為、全体で微増に終わりました。
次に3月後半の3週、4週について説明します。まず日配は4週目が年間8位と高い週ながら売上昨比85%と大きく落としています。加工食品は最大売上部門でありながら3週目、4週目とも大きく売上を落としています。これが食品計の数値不振に直結しています。
まずはこの原因をつかむことです。たとえば、この前年は4月から酒税がアップしたため3月末に酒の駆け込み需要があったが、当年はその反動だった等。
このように、一つひとつの数値をひもとき、「正しく把握」することこそ、年間計画を作る第一歩となります。